●睡眠時無呼吸症候群とは ●症状・徴候 ●生活習慣病との関連 ●検査・診断 ●治療の前に ●治療
睡眠中に無呼吸になる病気です。睡眠時無呼吸は大きくわけると閉塞型(気道が閉じるタイプ)と中枢型(呼吸の指令がなくなるタイプ)にわけられます。このサイトでは大半を占める閉塞型について説明します。
無呼吸とは10秒間の呼吸の停止(気道が閉じている)と定義されます。それが1時間に5回以上みられる場合に睡眠時無呼吸症候群と診断されます。無呼吸自体で死んでしまうことはありません。なぜなら無呼吸が続き、苦しくなってくると胸とお腹を一生懸命に動かしてどうにかして気道をひろげ、呼吸を再開するからです。では、睡眠時無呼吸症候群のどのようなところが怖いのでしょうか。
実は、睡眠時無呼吸症候群は放っておくと、じわじわと体を蝕み、この疾患特有の眠気は事故を引き起こすため他人にも迷惑をかけることがあるのです。適切な治療を行うためにも、睡眠時無呼吸症候群のことを勉強してみましょう。
どのような症状が出るのでしょうか。
周囲からいびきや、睡眠中の呼吸停止を指摘されたことはありませんか?会議中や運転中など起きていなくてはいけないときに眠ってしまうことはありませんか?
以下の表にあげられているものが主な症状です。チェックしてみましょう。
主な症状
- いびき
- 日中の眠気
- 起床時の頭痛
- 睡眠中の呼吸の停止
- 熟睡感の欠如
- インポテンツ(ED)
- 夜間のトイレ回数が多い
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いびきや無呼吸はベッドパートナーに迷惑をかけますが、この疾患が臨床的に重要視される理由は生活習慣病と密接に関連しているからです。例えば、高血圧を発症する可能性は健康な方と比較して2倍、狭心症・心筋梗塞は3倍、脳血管障害は4倍、糖尿病は1.5倍という報告があります。その他にも高脂血症・高尿酸血症の合併も多いことが判明しています。米国のデータでは、睡眠1時間あたり20回以上無呼吸が記録された患者さんは無治療のまま放置すると、9年後には10人のうち4人は心臓病・脳血管障害などで亡くなっていたという衝撃的な報告があります。
また、SASは特有の眠気を引き起こすため、交通事故や労災災害の発生にもつながります。健康な人がほろ酔い〜酩酊くらいの飲酒をした場合より、重症のSAS患者さんのほうがハンドル操作ミスが多かったという研究結果も出ています。交通事故は自分のみならず、他人にも迷惑をかけてしまいます。
しかし、睡眠時無呼吸症候群はきちんとした治療を行えば、眠気やいびきはもちろんのこと、合併症についても改善することがわかっています。心当たりのある方は専門の医療機関を受診しましょう。もしかしたらあなたのいびきや眠気は、体の赤信号を知らせているのかもしれません。
SASの検査診断・治療について
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